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2006年10月 4日 (水)

民藝追懐

「民藝」は、かつて民衆の実用品の中から美を見い出し、
民藝運動まで発展した文化的な活動でした。

新しい時代になり、ふたたび、美意識を模索し、
積極的に実践している表現者的骨董屋さんも多くなりました。
ここでは、ほんとうにカッコよかった「民藝」を
紹介ながら往時を追懐したいと思います。

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スリップウエア(英国スタッフォードシャー18世紀)径28㎝
英国の代表的なやきものです。
日本に紹介されたのは70年前、
民藝運動の作家たちに影響(模倣?)を与えたのですが
本歌はなるほど凄いなと思いました。
キリッとした抽象文様を備えながら、重厚で力強く、
しかも高台がなく、じつに簡素。
石膏のように柔らかいデルフトやマジョリカや、
華美で貴族趣味のヨーロッパ磁器に比べると、これぞ用の美。
パイ作りのためオーブンに入れる使われ方も納得です。
白いスリップ(化粧土)で抽象文様をつくるには鳥の羽根を使うそうです。
今では驚くほど高価になりましたが、
本国でも数がなく日用雑器とは遠い昔になりました。
その中でも格子(チェック)文様は数が少なく貴重です。


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丹波布(明治)
丹波布は、丹波佐治の地で農家によって織られました。
藍、茶、緑とその濃淡の組み合わせによって織られた美しい縞織物は、
栗皮やこぶな草などの野草で染め、
屑繭からの絹糸と木綿糸を混用するのが特徴です。(緯糸が絹糸)
普通の木綿のチェック?と思われますが
実物は所々に絹特有の艶やかさがあり素朴で美しく、
フワフワと柔らかい織物です。
江戸後期から織られていた丹波布は、
やがて明治末期には機械織機に押され衰退しました。
丹波布が発見されたのは、昭和初期、
日本民芸創設者の柳宗悦が京都の朝市で見つけ出したことから
一躍有名になりました。


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イクパスイ/捧酒箸(江戸中期〜後期)
イクパスイは民藝でも少しコアな道具ですが、
日本先住のアイヌの人々にとっては日常の道具です。
彼等は神や先祖に感謝や祈りを伝える時、
このイクパスイという独特の儀礼具を使います。
道具の先を酒で潤し、天に向かって捧げますが、
個人的な祈りにも用います。
一般的なものは白木に文様を彫った質素なものが多いのですが、
これは縄目文を浮き彫りにして、
さらに赤漆を塗った、たいへん凝った仕様です。
この赤漆で仕上げたものは本州(東北)で塗られたもので、
交易によるものといわれています。
裏面は所有者の印が彫られています。

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