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2009年9月 5日 (土)

秋の酒器

朝夕が涼しくなりました。
ここ深川森下も虫の声が聞こえてきます。
お酒もおいしい今日この頃、
ささやかですが秋の酒器を集めてみました。
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市ノ瀬高麗神の片口 桃山~江戸初 径12.5cm 高さ7cm
ふっくらした半円の端整な形。
入はあれど無瑕に近い佳器。
堅い長石が溶けきれず縮れて梅花皮をつくり
野趣な味わいがある。

市ノ瀬高麗神といえば奥高麗のほとんどはこの窯だという。
釉にたいして土見せは黒く見受けるが
これは茶渋で本来は胎土も白っぽい。
田中丸コレクションの奥高麗片口茶碗「離駒」も
所載の本の説明では「鉄分のない白土」とあるが
写真の胎土は黒っぽい。
「離駒」も長石が溶けきれず生焼けだが風格と雅味がある。

この片口も日毎茶を飲めば少しは奥高麗風に
なるのではと思うがどうしても酒が先行してしまう。
(売約済)

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李朝堅手盃 李朝前期  径8.6cm高さ4.2cm
10年ぶりに戻ってきた。
遠方のコレクターのところにあった。
こんな奇縁もたまにある。
口は端反り、胴に強いろくろ目があり見込みは広い。
高台は小さく垂直に立ち上がり全体を引き締めている。
堅手にしては青みがなく軟らかい灰褐色。
某骨董誌所載のもの。(売約済)


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無地唐津筒盃 (道納屋窯か飯胴甕窯) 桃山時代  
径7cm高さ5.7cm
以前にも当ホームページで載せたことのある古参の盃。
無地唐津の筒ではいちばん古いタイプだ。
岸岳の荒い土で飯胴甕という人もいるが
道納屋かなと思う。
当時、かなり高い買い物だった。
呼継も年月が経つと同化して手にも良く馴染む。
形が好きでなかなか手放せない。


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李朝刷毛目徳利 李朝前期
高さ13.6cm 胴径11cm 二合半
これも以前ホームページに載せたもの。
ボリュームがあって刷毛目も力強く
高台脇の削りっぷりも気持ち好い。
高台は小さく薄く品がある。
辛うじて残った口には白泥がべとっと付いて面白い。
その周りはきれいに銀で直されている。
はじめは油の匂いがしたが
焼酎を入れておいたらアルコール臭が勝ってきた。


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唐津と伊万里のハーフ(磁器質唐津)江戸初期
径7.4cm 高さ4.6cm
稀有なものと思う。
半陶半磁の器胎に長石釉。
密教法具の六器のような端反りの形。見込みは平ら。
高台周りは井戸のような梅花皮(かいらぎ)があり、
よく見ると左回りのちりめん皺が透けて見える。

以前、秦秀雄旧蔵の天神森から出た初源伊万里の盃で
一献戴いたことがあるがやはり伊万里に近いものと思った。
こちらは唐津寄り。
前所有者は白ハンドーと聞かされたらしいが
飯胴甕に白い長石釉のものはあっても
こんな瀟酒な作りのものは見たことがない。
やはり平戸辺りもしくは武雄で
磁器を意識して作ったものと思う。
堅そうな割に味が付きやすいのでこの先が楽しみだ。
(売約済)

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常滑山盃 平安時代 
9.3~10.3cm 高さ3.5cm
数少ない天場はありがたい。
自然釉がキラキラ美しく、自然な歪みも好ましい。
平安期らしいキリッとした付け高台。
深さ、大きさもあり酒盃に申し分ない。
古窯の盃はいつも備えておきたい。
(売約済)

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美濃かけ分け徳利 江戸後期 
高さ16cm 胴径8cm 二合強
滝呂あたりの美濃産ではないだろうか。
御深井のような灰釉をベースに
首にベタッと塗った鉄釉がアクセントになっている。
さらに高台内も鉄釉を塗っている。
五合くらい入る通い徳利が多い中
これは形も小さく、直線的で洒落ている。
洋物の盃に似合う。
(売約済)

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ドイツ炻器手付き徳利 18世紀
高さ12.5cm 胴径7.5cm 一合弱
ライン川ケルン周辺で作られた塩釉陶器(ストーンウェア)。
日本でお馴染みのひげ徳利の顔なしタイプ。
洋物で酒徳利になるようなものはほとんどない。
古陶にありがちな水が滲みるということはない。(売約済)


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白デルフト螺子盃 18世紀 オランダ
径7.6cm 高さ3.8cm
酒徒垂涎の盃に古染付の螺子(ねじ)盃があるが
五つに文様が分かれたものを「五つ螺子」、
それより数の少ない「六つ螺子」、
もっとも稀少なのが
染付け文様のない「白螺子」だと聞いた事がある。

写真はまさに「オランダの白螺子」。
もとは菓子型だが酒盃のサイズにピッタリ。
軟陶ゆえ釉剥げやほつれがあり
見込みの釉剥げは共直しをしている。
モコモコとうねに立体感があり手触りがいい。
酔いも進み回転文様に吸い込まれそうな気持ちになる。
最近お客の所から戻って来てくれた。(売約済)

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白ぼかしガラス筒盃 明治後期 
径5.2cm 高さ6cm
初見のもの。
筒型で口まわりに白のぼかし。
碁笥(ごけ)底になっている。
グイ呑みサイズが喜ばしい。
すぐに岸岳帆柱の筒盃を思い浮かべた。
少し黒ずんだ飴色で鉛が含んでいるようだ。
幾つか出たものの一つ。(売約済)


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シルバーオーバーレイのショットグラス 
20世紀初 アメリカ
薄く吹いたガラスのボディに特殊な方法で銀を厚くメッキする。
さらに盛り上げた銀に模様を彫る。
アールヌーボー期に製作され、
それに合わせるように衰退した。

これを教えてくれたのは目白にあった夏日堂。
左は15年前、その夏日堂から初めて買ったもの。
銀が立体的なのも勿論良いが
摩耗して平面的になっているのもモダンだ。
これらはショットグラスだが日本酒に相応しい。
気品と華やかさが根来のお敷にも合う。
左から/百合 径4.5cm 高さ5.3cm
大麦 径4.5cm 高さ5.3cm
蓮 径4.6cm 高さ5.7cm


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おもしろ片口4種
酒に使える個性的な片口を揃えてみた。

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美濃鉄釉片口 江戸前期
径12.4cm 高さ8.8cm
美濃の雑器窯の片口で、深さがあるので古い。
口先が細く酒が注ぎやすい。
成形の段階で出来た穴を埋めている。
同窯の呼継ぎがある。やけに高台がでかい。
(売約済)


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瀬戸瑠璃釉片口 明治
径12.7cm 高さ8cm
渋い瑠璃の1色。
片身変わりに鉄絵や織部風の絵柄の多い瀬戸の器だが
これは珍品だ。(売約済)

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アルミ片口 昭和
径14.8cm 高さ6.5cm
簡素だけどスタイリッシュ。
焼きもののような高台がある。
よく見ると梅花皮(かいらぎ)が!?
冷酒を入れると汗をかいて涼しげだ。
(売約済)

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時代漆酒上げ(ひあげ) 江戸中期
径12.7cm 高さ6.5cm
ぶ厚く素朴なつくりだが口先が細く注ぎやすい。
側面を鉈で面取りのように削り厚みを調整している。
有りがちなボロボロ感がなく手触りはよい。
所々塗りの直しはあるが大事に使われ今に伝わっている。
濁り酒にピッタリ。雪国の囲炉裏端でやりたい。(売約済)

以上、秋の酒器を集めてみました。
気になるものがございましたらお問い合わせください。
店主 拝

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