2011年11月24日 (木)

梅瓶型の須恵器

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須恵器 11〜12世紀  胴径13.5cm 高さ23.5cm

中国には梅瓶(めいぴん)という高貴な壷があるけれど
これはその形に近い平安時代の須恵器。
細かく粘りのある胎土に自然釉が流れています。
何より花を生けてみたいと思っていた形で
高名なお花の先生もこれに似た形の壷に
花を生けていました。
曲のある梅を生けるといっそう気高く
ゴージャスなのではと思います。
花は習ったこともなくおこがましいのですが
器を引き出したいので大仰にならないよう気をつけます。
あとは器がなんとか形にしてくれます。

写真は錦木とバラの実、菊。
都心は紅葉が乏しく秋らしさを感じないのですが
公園のハゼノキや南天、錦木が真っ赤になり目をひきます。
(売約済)

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2011年11月16日 (水)

古染付吹墨梅鴬文皿

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古染付吹墨鶯梅文皿 (明末17世紀前期)
径14.2cm 高さ2.6cm

骨董を始めて間もない頃
古染付の存在を知り伊万里との違いが分かると
俄然楽しくなったことを思い出します。
「辻留」の懐石料理の本に出ていたりして憧れたものでした。
古染付といっても型づくりの向付や祥瑞手は垂涎の的。
吹墨もなかなかお目にかからないものでした。
骨董店の棚に古九谷や柿右衛門と並んで置かれたものです。


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吹墨は初期伊万里にも同柄があるけれどこちらが本歌。
時間差もなくクイックに模倣したのには驚かせられます。
この吹墨は梅の古木に鶯が飛んでいる目出たい柄。
新春の茶や酒の席にぜひ登場させたい皿です。
(売約済)

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2011年11月 6日 (日)

WEB骨董市/「秋のセール 様々な器」

商品についてのお問い合わせは
メールか電話、FAXでお願いいたします。

気になることや分からないことがありましたら
ご注文される前にご質問いただきますようお願いいたします。

(尚、夜間のお電話はご遠慮ください。)


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須恵器 平安  胴径.11cm 高さ17.5cm
俵型の中世の須恵器。
この時期は奈良朝に見られない変わった形状のものが見られます。
堅く焼けて肌に変化があり花を引き立てます。
水は滲みません。(売約済)




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草花文高台付猪口 (江戸) 径7.3cm 高さ5.4cm
高台付猪口は昔から別格扱いでした。
ぽってりとした厚底で
草花の線は強弱があり花火のように弾けています。
柳宗悦も白洲正子、青山二郎そして秦秀雄も
大好きだった猪口のスタンダード。在りそうで無い。
無瑕完好。
(売約済)




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無地唐津山盃(江戸初期)径7.6cm 高さ4cm
山盃ですが高さと深さがあり
糸切り底と言えどもなかなか良い形です。
鉄分の無い白い土で
枇杷色に近い艶やかな釉の上がり。
金の直しが似合っています。
同窯の呼継があります。
お値段も手頃です。
(売約済)




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李朝刷毛目茶碗 李朝前期 径12.4cm 高さ7cm
熊川茶碗を彷彿する丸い腰にわずかな端反り
立ち上がった高台。
見込みが深く、茶も点てやすい形で
かわいらしさもあり手に馴染みます。
割れは残念ですが景色の一部として
見ていただけると幸いです。
(売約済)




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木地盆(栗)大 明治 径36cm 高さ3cm
堅く堅牢で木目が明瞭な野趣ある盆です。
この手も見つからなくなりました。(売約済)




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木地盆(栗)と 糸目盆 (明治 )
径27.5cm 高さ2.5cm/径27.3cm 高さ2cm
栗は使い込まれて滑らかな手触りの良い盆です。
糸目盆は傷みがありますが低めで使い良いです。
(売約済)




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常滑山茶碗 鎌倉 径16.6cm 高さ6cm
自然釉が均等に降り掛かった天場の山茶碗。
薄作りで内面はゆったりしたカーブを描き端正な器型。
すっきりした付け高台も魅力です。

古い銀直しがありますが風格のある得難い優品です。
(売約済)




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桔梗型伊万里白磁 (江戸中期)径9.1cm 高さ6.5cm
清楚な桔梗型の白磁。
水色に溜まった釉もきれいです。
残念ながら花弁と高台にホツ2カ所と
欠けを金で直してあり、爪にかからない入が
3カ所あります。(売約済)





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田舎椀 (江戸) 径13cm 高さ9cm
ざっくり削り出した肉厚の椀でです。
布被せが無く塗りっぱなしですが
傷みがないのでまだまだ使えそうです。(売約済)




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猿投盃 (平安) 径9.5cm高さ2.6cm
東海系の白瓷で猿投と呼ばれるものです。
平安期の盃は稀です。
銅器のような成形で高台もシャープに削られています。
施釉されていますが重ね焼きのために丸く抜かれています。
少し焼きが甘く黄色っぽい土に上がっています。
金直しがあります。(売約済)




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唐津皮鯨平盃 桃山~江戸初 径10.4cm 高さ3cm
窯割れがあるのみで瑕気のない皮鯨。
小皿ですが深さがあるので酒が楽しめます。
裏にカセがありますが見込みは艶やかです。
(売約済)




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ストーンウエア ピッチャー ドイツ15世紀 
胴径10.1cm高さ13.5cm
ねっとりとした粘りのある土で所謂拓器です。
塩釉により褐色の照りがあり全体に艶やかです。
独特の器形で高台は手で捻った古式のつくりで
17世紀に入ると平らな糸切りになります。
高台の三分の一に共直しがしてあります。
(売約済)




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伊万里酢猪口、小碗3点セット(江戸)
径5.5cm高さ6cm/径7.7cm高さ5.5cm/径5.4cm高さ6cm
左から/鱗文酢猪口は焼きが甘いのですが
絵付けが細かく珍しい柄。
小碗はダミの描き込みがが面白い中期の作。
草花文はシンプルに二面の絵付け。(売約済)




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灰釉銅緑釉掛大鉢  江戸初期 径32.5cm高さ9.5cm
黄瀬戸釉とタンパンが掛かった迫力ある大鉢で
呼継と金継でド派手な様相です。
大川東窯のもので以前は黄瀬戸と呼ばれていたものです。
へうげものの好きな方にお薦めです。
(売約済)





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備前陶板 (江戸)最長23.5cm高さ1cm
備前の窯道具です。
薄く焼味が良く風情があります。火襷もあり両面使えます。
桃山の趣がありますが
江戸中期から後期のものだそうです。
薄いものは桃山、厚いのが江戸後期などとも聞きますが
このような丸形や隅切りの角形陶板など
最近出回るものはほとんど江戸後期のものらしく
桃山として売られている場合があります。
味が良くて安価であればいうことなし、ですが。
(売約済)





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合鹿椀 径14cm 高さ10cm  (室町末期~江戸初)
特別出品です。
貫禄と古格を備えた合鹿椀です。
能登は柳田村産の幻といわれる古代椀。
三重椀のうちの一の椀。
肉厚で見込みが深く丸みのある腰。
高台の立ち上がりも堂々としています。
縁の布被せは下地に埋もれています。
高台内に「う」の記号。
高台の赤味のある部分的な塗りは
直しと思われますがこれもかなり
古い時代のものでこのまま使用出来ます。
某合鹿椀作家の作品と値段が変わりませんが
こちらは本歌です。(売約済)

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2011年11月 3日 (木)

次回WEB骨董市/「秋のセール 様々な器」

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次回WEB骨董市は特集「秋のセール 様々な器」

11月6日(日)午後10時のアップロードです。

予定日が変更になりご迷惑おかけいたしました。

よろしくお願い致します。

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2011年10月23日 (日)

古作の文机

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文机 32.5cm×92cm高さ24.5cm

天板は剥板(へぎいた)で
表面は槍鉋のように荒く削いであります。
脚も鋸を使わず割ったものでそれぞれ太さが違っていて
天板を突抜けてクサビで固定してあります。
全体に虫食い跡が見られ
中央に穴でも空いたか木片を埋めてあります。
見た目の割に片手で持てるほど枯れて軽くなっています。
珍品堂が「足利の文机」といって紹介したものと同じタイプ。
足利かどうか分からないけれど
大鋸(おが)がまだ普及されていない頃の作ではないかと
思ったりもします。
須恵器や金銅仏を置いたり
気の置けない友と
差し向いで一杯やるにも良さそうな文机です。
(売約済)


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2011年10月16日 (日)

WEB骨董市/「秋の古窯」

商品についてのお問い合わせは
メールかお電話、FAXでお願いいたします。

気になることや分からないことがありましたら
ご注文される前にご質問いただきますようお願いいたします。

(尚、夜間のお電話はご遠慮ください。)


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常滑鳶口小壷 14世紀  胴径12.8cm 高さ10.5cm
昨年に紹介したもので売却されたものですが
購入者の諸事情により戻ってきました。
小さくすぼめた首に注ぎ口がついた可愛い壷です。
赤黒くかっちり焼けて胡麻が降り掛かるだけの簡素な肌。
奇跡的に無瑕。底は砂底で水は滲みません。
当時、実際に使ったものでしょう。
墨書きは愛知県内の出土。(売約済)




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渥美中壷 平安後期 胴径16.5cm×高さ22cm
「上」の字の入ったほとんど無瑕に近い中壷。
上部のみに人為的に釉薬を掛けた痕跡がはっきりと分かります。
全体に焼きが甘いのですが渥美は常滑に比べ
窯の焼成が悪かったようで一様に生焼けです。
製作期間が短くあまり出回らない貴重な古窯です。
(売約済)




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須恵器小壷 平安  胴径13cm×高さ10.5cm
堅く焼けた短頸の小壷です。
全体に自然釉が艶やかに掛かっています。
手の平にのる好ましいサイズ。
水も漏れません。(売約済)




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弥生斜縄文小壷  弥生時代 胴径11.5cm×高さ15cm
関東系の弥生壷で
ジグザグの斜縄文がモダンな薄い作りの器形。
胴に2カ所穴があり補修されています。
弥生は地域性がありバリエーションが豊富です。
値段も比較的安価なので花生けにはお薦めします。
(売約済)




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弥生丹塗壷  弥生時代 胴径12.2cm×高さ17.8cm
関東系の柿色の丹が残った華やかな小壷
愛鷹山の紙が貼られています。
静岡県の愛鷹山でしょう。
口回りは割れていますが原型を留めております。
(売約済)




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弥生広口型小壷 弥生時代 胴径10.3cm×高さ13.5cm
近畿地方のものと思われます。
白い土に黒いカーボンが浮かんだ優美な姿。
天に広げた口と削りの心地よい細いステム。
ブーケっぽく生けてみたいです。
因みに大地震の時も倒れませんでした。
29,000円22,000円




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常滑山茶碗(天)鎌倉 径16.5cm×高さ5.5cm

重ね焼のいちばん上の数少ない天場です。

降りものはありますが自然釉に溶けこみ艶やかです。

部分的に釉剥げはありますが
茶で使われていたようですべすべと馴染んでいます。
縁にも薄く釉があるので口当たりも滑らかです。
瑕は小さく金銀混合の直し。

目の詰んだ簡素な杉箱が欲しいところ。(売約済)




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須恵器系片口 平安~鎌倉初期  径23cm×高さ5.5cm
海上がりで器形は南蛮手に似ており
土質は珠洲のような雰囲気です。
糸切り底で荒い土に
幾つもの小石が爆ぜているのが散見できます。
調べたのですが明確な古窯が見つからず
須恵器系片口というのが文献に記載されていたので
これもそれではないかと思います。
ヒビがありますが止めてあります。
浅鉢型でしかも堅く焼きしまっているので料理が映えます。
(売約済)




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ストーンウエア長壷 ドイツ13~14世紀
胴径12cm×高さ24.5cm
ライン川の支流のジーク川沿いにある
ジークブルク(Siegburg)の古窯。
ハンドルがないのは珍しいです。
ドイツ人も知らない人が多く
稀少な割にはそれほど高くありません。
荒い土にろくろ目が立ち、指で捻った独特な高台。
中世ヨーロッパの匂いが漂う貴重な文化財です。
(売約済)





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常滑大平鉢 鎌倉時代  胴径31cm 高さ14cm
経塚壷の蓋に作られたもので、
片口は法力が現世へ通じるための道と考えられたとのこと。
良く焼けて白っぽい土色。
瑕は縁に欠けがあるのみで白漆の直しです。
入が3本ほどありますが止まっています。
48,000円35,000円




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常滑経塚壷 平安時代  胴径33cm 高さ32cm
以前にもご紹介しました。
クールで緊張感のある薄い作り。
修験者の信仰心の為せる美しい造形です。
破れていますがへたれずに基本形をとどめています。

全体に薄く自然釉がかかり清々しいです。
肩の一部が共継ぎ、その隣に呼継ぎがあります。
この呼継ぎは取り除いてもいいかも知れません。(売約済)

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2011年10月10日 (月)

次回WEB骨董市/特集「秋の古窯」

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次回WEB骨董市は特集「秋の古窯」

10月16日(日)午後10時のアップロード予定です。

よろしくお願い致します。

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2011年10月 8日 (土)

和手茶碗

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和手(やわらかで)茶碗 李朝前期
径14.6cm 高さ7cm

伝世と思われる李朝の茶碗です。
和手(やわらかで)と言っても堅手の範疇でしょう。
粉引きのような肌に荒い目の貫入。
古い象牙の工芸品をみるようで
とくにピンホールから雨漏りが外に通って古格を感じます。
目跡は上品に四つ。
器表はクリーム色から青味を帯びる変化が見られ
高台の兜巾は小山のようにこんもりしています。
腰に残る指跡もアクセントとなっています。
茶を点てるほどに景色が増していきそうな
育てがいのある良碗です。

(売約済)

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2011年10月 6日 (木)

江戸中期の初期猪口

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初期手花弁文猪口 18世紀
径7.0cm〜7.5cm 高さ5.4cm

猪口は初心者向けとか入門者向けとかいうけれど
私には奥が深くていつまで経っても面白い。
名許りのぱっとしない盃より魅力的だ。

写真の猪口は江戸中期につくられた初期の猪口。
馴染みのない人は混乱してしまいそう。
生掛け故に少し楕円気味。
厚底で見込みに小石がに落ちて縁に窯瑕がある。
このくらいのデメリットは
土もの(陶器)で見慣れているので返って好ましい。
柳宗悦はすでに昭和六年の「民藝」に
そば猪口を紹介したらしい。
それも1ページに一点ずつの掲載。
薄手の描き込みタイプより厚手の初期タイプが多い。

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この手は昔から人気が高いので贋物が多い。
骨董市やネットオークションにもよくある。
キノコ狩りに行ってシメジそっくりの毒キノコに出会う感じ。

(売約済)

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2011年10月 2日 (日)

合鹿椀

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合鹿椀 径14cm 高さ10.5cm    室町末期~江戸初期

能登は柳田村の合鹿椀です。
三重椀のうちの一の椀。
肉厚で見込みが深く丸みのある腰に
すくっと立ち上がった高台。
縁の布被せは1.5cmくらいで段差が分かります。
内面には著しい断文が見られ外側も散見できます。
高台も浅い内刳り。
傷みはあっても表面的なもので後塗りはないようです。
堂々とした貫禄と古格を備えた古代椀です。

馴染みの交換会で大御所の出品。
値段が上がらず渋々当店に譲ってくれたもの。
こんな時代なのか弱小店にも好機がありました。

まずは、瑕も埋まるので粥でも食しながら
家庭内出家を体感したいと思います。

(売約済)

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